
商社の業種は【卸売業】が正解。商社の職種とやりがいについても解説
「商社はどんな業種にあたるのか?」
「商社仕事の具体的な内容を知りたい」
このように、現在就活中で商社への興味はあるものの、商社の業種、そして具体的な仕事の内容についてはよくわからないという方は多いでしょう。
実は、商社が行っている仕事は私たちの生活にも関係があり、意外と身近な存在でもあるのです。
この記事では、商社の業種と職種、やりがいについて詳しく説明します。
この記事を読んで商社についての知識を深め、あなたが就きたい仕事を決める際の参考にしてみてください。
以下の記事では総合商社の最近の動向について説明しているので、あわせて読んでおくのがおすすめですよ。
目次
1.商社の業種は「卸売業」が正解
商社の業種は卸売業です。
よく業種と職種を勘違いしてしまうケースがありますが、業種は企業がどのような分野に属しているかを指す言葉なので、商社の業種は卸売業と言えます。
また、商社といっても大きく2つに分けることができ、幅広い種類の商品を扱うのが総合商社で、ある一定の分野で専門的な商品を取り扱うのが専門商社です。
どちらも自社の製品を販売したり、企業同士のパイプ役としてマーケティング業務を受け持ったりと、商品に対して付加価値をつける卸売業を行っています。
2.商社にある職種を知ろう
ここでは商社の職種について説明します。
職種は業種よりも更に狭い範囲を指す言葉で、企業の中に存在する仕事のことを言います。
基本的に商社の職種は総合職と一般職、そしてその他に分かれており、それぞれが担当の業務を担うことで企業を支えているのです。
それぞれの職種の人々がどんな業務を担っているのか、1つずつ説明するので参考にしてみてください。
(1)総合職の社員が行う業務について
総合職の社員が行っている業務について説明します。
総合職は企業の中心的な業務を多岐に渡って行い、将来的には企業を背負う幹部の候補としても期待されています。
転勤や異動が多く、請け負う業務が何度も変わることがありますが、その分スキルアップにも繋がるため希望する人も多い職種です。
また、総合職といっても営業系や技術系に分かれ、業務が限定されていることもあります。
商社の中心となって活躍している総合職の業務を知り、あなたも勤めることができるか想像してみましょう。
総合職の社員が担う業務は以下の3種類です。
- 事業企画
- トレーディング
- 営業
- プロダクトマネージャー
1つずつ説明します。
#1:事業企画
総合職の1つ目の業務は事業企画です。
事業企画では、今後どのような企画を立ち上げるか考えたり、どの分野、どの企業と取引して投資を行っていくか決めるといった内容の仕事を行っています。
また、他社や他部署と連携をとり、同時にマネジメントを行ったり、新規事業の立ち上げなどにも携わることで企業の経営を支援する役割を持った職種です。
事業企画では、将来性などを見極めるためにも広い視野が求められます。
#2:トレーディング
総合職の2つ目の業務はトレーディングです。
トレーディングは、企業と企業の間に仲介業者として入り、需要と供給を結びつける業務のことです。
また、他の企業の代わりにマーケティング業務などを担うこともあり、トレーディングではその際に発生する手数料などを利益として得ています。
商社の中でも中心的な業務の1つで、一度の取引で数億円が動くような大規模な取引を行えるのがトレーディング業務の特徴です。
#3:営業
総合職の3つ目の業務は営業です。
営業は顧客と企業のパイプ役となり契約を取ってくる仕事です。
自社の商品やサービスを他社に売り込み、企業に安定をもたらします。
他社の社員との付き合いや外回りをすることも多く、身体的にも精神的にも体力が必要な仕事です。
営業では1つの業界を担当していることが多いため、その分野に関する深い知識を学んで専門性を高める必要があります。
各社によって強みが違うので、就職したい商社がどんな分野を得意としているか事前に知っておくようにしましょう。
#4:プロダクトマネージャー
総合職の4つ目の業務はプロダクトマネージャーです。
これは専門商社にのみ見られる業務で、総合商社には基本的に存在しません。
自社が取り扱う商品の市場調査を行い、その結果から今後の事業を発案していく仕事です。
また、他の部署の動きを決めるなど、企業の中でも方針を決める大きな権限を持った重要な仕事となっています。
プロダクトマネージャーは企業のリーダー的存在としての活躍が求められるポジションです。
(2)一般職の社員が行う業務について
一般職の社員は、事務職を中心に業務を行っています。
新卒向けにも一般職の求人が行われており、伊藤忠商事、三菱商事、三井物産など、やはり大手総合商社が就活生からの人気を集めています。
ただし総合職と比べると、業務内容や責任の重さの違いから給与は低い傾向にあるので、そういった面も考慮するようにしましょう。
一般職の社員が行う事務職は以下の2種類です。
- 営業事務
- 貿易事務
順に説明します。
#1:営業事務
一般職の1つ目の業務は営業事務です。
総合職の社員がスムーズに仕事を進めるためのサポートを行っており、電話応対や書類整理といった内容の仕事をしています。
商社は海外とも盛んに取引を行うため、英語などによる応対が求められることも少なくありません。
営業事務は営業をスムーズに行うために欠かせない仕事です。
#2:貿易事務
一般職の2つ目の業務は貿易事務です。
貿易事務は、海外との取引が多い商社には欠かせない業務の1つとなっています。
商品の輸出入の際、税関を通す作業で手続きを行うのは貿易事務の役目です。
営業事務と同じ部署にいることもありますが、大手の場合は独立していて、より専門的な業務が求められることもあります。
(3)システムエンジニア
その他の業務として、システムエンジニアがあります。
システムエンジニアは顧客からの要望を参考にシステム開発を行ったり、プログラミング作業を行ったりと、IT関係の業務が中心です。
ちなみに社内SEは社内のシステムに特化した業務を行います。
総合商社では日々新たな商品の取り扱いが行われ、その度にカスタマイズなどを行う必要があるため、商社に勤めるシステムエンジニアは多忙を極めることも多いです。
また、総合商社に限らず新卒でのシステムエンジニアの募集は行われていますが、システムエンジニアはプログラマーとして経験を積まなければ昇格できないこともあります。
そのため、システムエンジニアになりたい場合は、総合職や一般職ではなく、プログラマーとして就職する必要があることを覚えておいてください。
就職したい企業がどのような方針であるか研究し、希望の職に就けるようにしましょう。
3.商社仕事のやりがい
商社仕事のやりがいを紹介します。
仕事を行うにあたり、給与も大切ですが、やりがいを見出すことで一つの仕事を長く続けることができます。
商社仕事のやりがいについて以下の6つを紹介するので、商社に興味を持っている方は自分が商社で輝けるかどうか参考にしてみてください。
- 人と人の繋がりから価値を創出できる
- ビジネスの規模が大きい
- 挑戦が歓迎される
- 若手が活躍しやすい
- 海外との関わりが持ちやすい
- 年収が高い傾向あり
1つずつ説明します。
また、自己分析であなたの過去のエピソードを整理してみると、あなたの気質が商社に向いていることを発見できるかもしれませんよ!
以下の記事では自己分析のやり方を詳しく説明しているので、あわせて読んでみましょう。
(1)人と人の繋がりから価値を創出できる
商社仕事の1つ目のやりがいは、人と人の繋がりから価値を創出できることです。
企業と企業の間に入り、ビジネスのサポートをしたり新たな事業の中心となることで、本来であれば生まれなかったはずの価値を誕生させられるのが、商社に勤めることにおいてのやりがいです。
常に試行錯誤を重ね、人の繋がりを活かした事業の成長に携われるのは大きな経験にもなります。
(2)ビジネスの規模が大きい
商社仕事の2つ目のやりがいは、ビジネスの規模が大きいことです。
企業間に発生する取引は、一度で数億円単位のお金が動くこともあります。
このようなダイナミックな取引に携わることができる商社仕事は、困難な道も多いですが、その分大きなやりがいも感じるでしょう。
スケールの大きな仕事をして、何かを大規模に動かしたいと考えている方は働きがいを強く感じる仕事です。
(3)挑戦が歓迎される
商社仕事の3つ目のやりがいは、挑戦が歓迎されることです。
常に新たな事業を取り込む商社では、個人によるチャレンジが歓迎されやすくあります。
多くの企業が持っている未知なる可能性を開拓する商社での仕事は、チャレンジ精神が旺盛な方からすれば大きなやりがいを感じるでしょう。
その分プレッシャーも大きくなりますが、挑戦をし続けたい方にはおすすめの仕事です。
(4)若手が活躍しやすい
商社仕事の4つ目のやりがいは、若手が活躍しやすいことです。
商社では若手も多くの仕事を貰うことができます。
覚えることも非常に多いですが、その分自分の研究や努力次第で若いうちから活躍することも可能であり、早い段階で大きなプロジェクトを任せられることもあります。
また、総合商社には高いレベルの人材が集まっており、その仲で競い合うこともできるので、若いうちからどんどん成長を遂げることもできます。
(5)海外との関わりを持ちやすい
商社仕事の5つ目のやりがいは、海外との関わりを持ちやすいことです。
商社の仕事上、外国企業との取引も多いことから海外との接点が持ちやすいです。
日本国内だけではなく、グローバルに活躍することで世界の企業を動かすことも可能であり、海を渡った広い活躍が望めます。
また、外国語のスキルを活かして働きたいと考えている方にも、海外での仕事を任命されやすい総合商社への就職はおすすめです。
(6)年収が高い傾向あり
商社仕事の6つ目のやりがいは、年収が高い傾向にあることです。
その理由としては、在庫を自社で持つことがないため在庫維持にかかるコストを人件費に回しやすかったり、大金を動かすことに伴う責任の重さや海外赴任の手当、残業の多さが挙げられます。
商社に就職すると、若いうちから高収入を得られる可能性が高いため、必然的に生涯年収も高くなります。
激務とも言われる商社ですが、年収も一つのやりがいになるので、高収入を得て人生を安定させたいと考えている方は一つの指標として考えると良いでしょう。
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4.まとめ
この記事では、商社の業種や職種、そして6つのやりがいについて説明しました。
卸売業を行っている商社は、日本国内に限らず世界を相手に取引を行い、大きなビジネスを成功させています。
その分激務でもありますが、やりがいも大きく、さまざまな人が集まっているため、こういった企業で働くことは人間としても大きな成長を遂げることができるでしょう。
就職したい企業が行っている業種や職種を知ることで、将来あなたがその場所で活躍できるか想像し、後悔のない就活を送れるように頑張ってください。
以下の記事では業界研究の方法を説明しているので、商社についてより詳しく調査したい方は、ぜひ読んでおいてくださいね。